2014年04月04日

076:創造の喜び

 4月から消費税率が上がり、3月中に駆け込み買いをされた方も多いと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。私も現在はまっている電子工作の種々の部品を駆け込み買いで取りそろえましたので、しばらくはそれらに携わり、ひっそりと節約生活をしていこう考えております。
 電子工作といえば、その基本はなんと言ってもラジオで中でも電池のいらないエコなゲルマニウムラジオでしょうか。というより私の理解の及ぶ範囲に位置している工作はこのレベルであるということですが・・・。
 皆さんの中にも子供のころにはまった人も多いのではないでしょうか。
私も小さい頃にロケット型のゲルマニウムラジオにはまりました。先端に金属の短い棒がついていて選局出来るタイプで下からはクリップのついたアンテナと今では見かけなくなったクリスタルイヤホン(耳の穴からすぐに落ちてしまうアレです)が出ていました。選局といってもほんの数局しか選べなかったという記憶がありますが、何と言っても電池もないのにラジオが聞こえるという魅力は子供には大きいもので夜となく昼となくわけのわからない内容のラジオに耳を傾けていたものでした。

 いつの間にか興味がなくなり今となってはもう手元にありませんが、数十年を経た今頃になってまた電子工作に興味を覚え、再びゲルマニウムラジオを作ってみました。それなりのなつかしさはありますが、さすがに子供のころの感動には及ばないもので、むしろ音が小さい、雑音がする、数局しか入ってこないという不満の方が多く、やはりもっと複雑な回路で実用に耐えうるラジオが作りたくなり、上述した電子部品を取りそろえた次第です。必要に応じてアンテナもつくろうかともくろんでいます。
 おかしなもので、普段はラジオなどは聞かないのに今では完成品の市販のラジオをかけてみて自分の部屋での受診状態を確認しながら、工作を楽しんでおります。

 父が生前、「習熟の喜び、創造の喜び」といっていましたが、なるほど物を作るというのは、たいした物ではなくともそれに携わっていること自体が楽しいし、喜びを感じる一時です。

「至福とは最高の幸せではなく、苦悩の不在である」というような内容のことをどこかで見聞きした気がしますが、何かを楽しんでいる瞬間、喜びを感じている瞬間はまさに苦悩の不在であり、日常の種々様々な煩いを気にしている小さな人間(小我)の不在であり、至福の瞬間です。このような瞬間をできるだけ何時でも感じられればいいのですが、そのようにしようとする動きもまた小我のあがきでしょうから、自然に打ち任せるしかありません。そのような瞬間がくれば、感謝とともに受け入れ、去れば去ったでまた見守る。その繰り返しです。

 まぁ、何はともあれ、みなさんも新しい年度の始まりを機に何か心から惹かれる趣味をはじめてみてはいかかでしょうか?

(遠田弘一)
posted by ..... at 18:53| Topics